仕事について: 資格はあるけれど、実務経験がない場合

質問

簿記の資格を持っているので、経理事務をやってみたい。 どの会社でも根幹は同じなので、一度経験しておけば、他のところでも経験が生かせるのではないか。 でも、資格は持っているけれど、経理の実務経験がない。面接でどう聞かれる?(北海道・Sさん)


回答 【hiro】

採用面接には2種類あります。

  • 新卒採用面接(コンピテンシー面接):
    面接=企業の求めるコンピテンシー(ハイパフォーマーの行動特性)に合致した人かを確認する作業。いわゆる、コンピテンシー面接といわれるものです。
  • 中途採用面接(キャリア採用面接):
    面接=今までの職歴・職務内容を確認し、即戦力になるかどうかを確認する作業。最近では、中途採用と呼ばずに、キャリア採用と呼ぶのが一般的です。

Sさんの場合は後者であり、なおかつ「(経理事務の)経験がない場合」となります。 その場合、私が面接官と仮定するならば、以下の2種類の質問をします。

  1. 営業事務(前職)の経験を聞く質問
  2. 経理事務(現職)の理解を問う質問


「1.営業事務(前職)の経験を聞く質問」では、中途採用面接では当然の前職の職歴・職務内容を確認する質問です。 ここで、「今、就職活動しているのは経理事務だから関係ないんじゃない?」と思われるかもしれませんが、答えはNO!大いに関係があります。

一つは、前職での「スキル」が現職の経理事務としても活用できるかもしれません。

経理といっても、今はたいてい会計ソフトにPC入力し、チェックする作業。そのデータを元に会社の経営判断をしたり、経営企画をしたり、監査をすることになります。そのため、営業事務で伝票入力されていた仕事の確認を行い、会計ソフトにリンクしている部分がないか、経理事務として「つながる」仕事はないか確認します。

もう一つは、前職での「行動特性」が現職でも活きることになるため、必ず参考にします。

営業事務での成功体験や失敗体験を質問します。そこで、Sさんがどういう苦労をし、どう判断し、どう行動したかをつぶさにエピソードとして確認します。この確認作業によって、今後、同じような仕事の局面が現れた際にこのような行動をとる方なんだろうなと推測しやすくなります。

これは、新卒採用面接のコンピテンシーを確認する面接手法と同じことになります。


「2.経理事務(現職)の理解を問う質問」では、これからの仕事である経理事務の理解を問う質問です。 経理事務の実務経験がない状況で、どの程度経理事務の仕事内容を概要だけでも理解しているか確認します。

ここでは、学生ではありませんので「知らない」では済まされず、どの程度調べているかで経理事務志望への「本気度」を計ります。

また、仕事の事実確認ではないのでスラスラ答えが出てこないことが想定されます。 こういう時こそ、面接官は「説明力」と言いますか、わかりやすく「伝える力」を持っているかも見ています。

そして、簿記の資格は取得されているということですので、いつ・なぜ簿記の資格取得をしたのか、どの程度理解しているのかを質問し、確認します。 肝心の「即戦力」「実践力」を問うことになりますね。


その他、他社の就職活動状況も必ず聞く質問です。 これは、面接を受ける側からすると答えにくい質問ではありますが、正直に答えて下さい。

経理事務として他企業も受験しているか、就職活動や志望職種への「本気度」を確認しています。 なぜ営業事務ではなく、経理事務なのか、ご自身の中で明確にしておくことです。その中で、この企業にこそ就職したいという志望理由を熱意を持って伝えられると良いですね。

昨今の採用面接では、主観的面接から客観的面接手法へ大きく様変わりしました。
もちろん、最後は、その企業と合う・合わないといった価値観も重要です。

そして、中途採用では、企業側の求めているターゲット(年齢層・職務内容など)がかなり明確なものになっている場合も多いため、非常に厳しい就職活動にはなりますが、諦めずに、採用する企業側に提示できる具体例(客観的事実)をたくさん用意しておくと良いと思います!

就職活動の成功をお祈りしています。

【記事作成:hiro、編集:Miwa、最終更新日:2011/3/30】